2023.2.2 プレスリリース
<全国の建設業1,039名への建設DXに関するアンケート調査結果(第2弾)> 「ドローン」による建設業の生産性向上への期待が高まる
くみき , KUMIKI , ドローン測量 , DX , 測量 , ドローン , 現地管理 , クラウドアンケート調査結果(第2弾)>
生産性向上への期待が高まる
8割以上の小規模建設業者が
「働き方改革」未着手
建設業では人材不足や高齢化が深刻で、建設業の企業が生き残るためには、建設DXなどによる生産性向上や働き方改革が必要不可欠です。このたび、クラウド型ドローン測量サービス「くみき」などを提供する株式会社スカイマティクスは、建設業の生産性向上のカギとなる建設DXの現状を把握し、課題を明らかにするために、全国の建設業の企業に勤務する1,039名を対象に2022年11月にアンケート調査を行いました。その結果、建設業の特に小規模企業では、「働き方改革・残業削減」の取り組みの遅れや、ICT化(デジタル化)の取り組みへの不満が高いことが明らかになりました。また、建設ICTツールの中でもドローンは、導入による生産性向上の寄与度が高く、未導入の企業でも導入意向が最も高いツールであり、ドローンによる建設業の生産性向上への期待が高まっていることが示唆されています。本プレスリリースでは集計結果の第2弾を発表します。(第1弾プレスリリースは1月18日に発表しました。)
1.今後導入したい・導入してほしい建設ICTツール
- 最も多く挙げられたのは「ドローン」26.0%、建設業界内でもドローン導入のメリットが共通認識となりつつあり、「ドローン」の導入意向が高いと考えられます。
2.生産性向上への寄与度が大きい建設ICTツール(第1弾プレスリリースからの再掲)
- 最も生産性向上の寄与度が大きいのは「ドローン」23.2%、次いで「3D CAD等」20.9%。
- ドローンで取得した地形データを3D CAD等で活用して生産性を向上させたケースが多いと考えられます。
3.働き方改革・残業削減の着手率
- 2024年4月には建設業でも「働き方改革関連法」による残業時間の制限が適用されます。働き方改革・残業削減に「着手している」企業は全体では41.7%。小規模企業の取り組みの遅れが目立ちます。
4.勤務先のICT化(デジタル化)の取り組みの不満
- “不満”の割合は、全体では過半数の56.6%。小規模企業では不満の割合が高いです。
5.建設ICTツール導入がうまくいかなかった経験
- 「若手社員など限られた人しか使えない」が44.9%と突出しています。
- 若手社員やITスキルが高い人でなくても、誰もが使いやすい建設ICTツールが求められています。
6.建設ICTツール導入のネック
- 最も多く挙げられたのは「初期費用」55.5%、2番目は「ランニングコスト」、3番目は「導入しても社員が使いこなせるか分からない」35.4%、4番目は「社内で導入を進めるICTに詳しい人材の不足」33.9%。
7.建設ICTツール導入を支援する社内体制の有無
- 小規模企業では8割以上が情報システム部や担当者などの社内の導入支援体制がないことが、建設ICTツール普及のネックになっていると考えられます。
今回の調査結果に対し、九州大学大学院工学研究院 都市システム工学講座 教授の馬奈木俊介氏は、「小規模企業こそ、生産性向上や働き方改革を推進するために、まずはドローンの導入を検討すべきです。」とコメントしています。
Q.あなたの勤務先で今後導入したい・導入してほしい建設ICTツールについて、重要と思う上位3つをお選びください。(複数回答)
- 最も多く挙げられたのは「ドローン」26.0%、2番目は「据置型三次元レーザースキャナー」19.0%。3番目は「マーキングや墨出しロボット」18.3%。
- 建設業界内でもドローン導入のメリットが共通認識になりつつあり(本調査の別の設問からも、「ドローン」は生産性向上への寄与度が高いことが示されています)、「ドローン」の導入意向が高いと考えられます。
Q.あなたの勤務先で、生産性向上に寄与したと考える建設ICTツールを、寄与度の大きいものから順番に5つまで選んでください。(5つまで回答)
- これまでに導入した建設ICTツールのうち、生産性向上の寄与度が最も大きいツール(寄与度の順番で1番目に挙げられたツール)は「ドローン」23.2%、2番目は「3D CAD、3次元データ作成・点群処理ソフト」20.9%。
- この結果から、ドローンで取得した地形データを3D CAD等で活用することで生産性を向上させたケースが多いと想定されます。
Q.2024年4月には建設業でも「働き方改革関連法」による原則月45時間かつ年360時間以内の残業時間の制限が適用されます。あなたの勤務先は、これに向けた働き方改革・残業削減の取り組みに着手していますか。(単一回答)
- 2024年4月には建設業でも「働き方改革関連法」による残業時間の制限が適用されます。そこで、回答者の勤務先の働き方改革・残業削減の取り組みについて尋ねました。その結果、「着手している」は全体では41.7%。1人~19人の小規模企業は17.8%。20人~299人の中規模企業は41.8%。300人以上の大規模企業は60.0%。
- 小規模企業の取り組みが遅れが目立ちます。本アンケート調査の別の設問から、小規模企業では建設ICTツールの導入率が低いことが示されています。特に小規模企業は、働き方改革・残業削減を進めるために、建設ICTツールを導入する必要性が高いと言えます。
Q.あなたの勤務先のICT化(デジタル化)の取り組みについて、あなたはどの程度満足(または不満)ですか。(単一回答)
(「満足している」と「やや満足している」を合わせて”満足”、「やや不満」と「不満」を合わせて”不満”とした。「分からない・答えられない」を除いた母数で集計)
- 全体では過半数の56.6%が”不満”と回答しています。企業規模別の”不満”は、従業員1人~19人の小規模企業は66.7%。20人~299人の中規模企業は61.9%。300人以上の大規模企業は46.4%。規模が小さい企業ほど、ICT化(デジタル化)への不満の割合が高いことが分かります。本アンケート調査の別の設問でも、小規模企業は建設ICTツールの導入率が全般に低いことが示されており、この結果を裏付けています。
- 前の設問の結果と合わせて、特に小規模企業の従業員は、勤務先が生産性向上や働き方改革・残業削減を進めるために、ICT化(デジタル化)の取り組みを進めてほしいという要望が大きいと考えられます。
Q.あなたの会社で導入したICTツール(システム・ソフトウェア含む)について、これまでに、次の選択肢のような経験をしたことがありますか。該当するものをすべて選んでください。(複数回答)
- 「若手社員など限られた人しか使えない」が44.9%と突出しています。約半数の企業でこのような経験があるため、建設ICTツール導入においては、「導入しても誰もが使いこなせないのではないか」という不安要素があると考えられます。
- この結果から、建設業では、若手社員やITスキルが高い人でなくても、誰もが使いやすい建設ICTツールが求められています。
Q.あなたの勤務先が生産性向上のために建設ICTツールを導入するにあたり、ネックとなる要素は何だと思いますか。(複数回答)
- 建設ICTツール導入のネックとして最も多く挙げられたのは「初期費用」55.5%、2番目は「ランニングコスト」、3番目は「導入しても社員が使いこなせるか分からない」35.4%、4番目は「社内で導入を進めるICTに詳しい人材の不足」33.9%。
- 特に小規模企業は建設ICTツール導入の予算が限られているため、初期費用・ランニングコストが安価なツールが求められています。また、「3.建設ICTツール導入がうまくいかなかった経験」で示されたように、約半数の企業が、建設ICTツールを導入しても限られた人しか使えなかった経験があるため、誰でも使いこなせるツールが求められています。さらに、「5.建設ICT導入を支援する体制の有無」から、小規模企業には建設ICTツールの導入を支援する体制がほとんど整っていません。そのため、ICTに詳しい人材がいなくても導入できるツールが求められています。
Q.あなたの勤務先では、現場で必要な建設ICTツールを導入する際に、社内でシステムを担当する部署または担当者など、ICTに詳しい人が確認や支援をする体制がありますか。(単一回答)
- 社内に建設ICT導入を支援する情報システム部などの体制がある割合は、全体では52.3%、1人~19人の企業は17.8%、20人~299人の企業は48.7%、300人以上の企業は79.6%。
- 小規模企業では、建設ICTツールを導入する際の社内の支援体制がほとんど整っていないことが、ツール普及のネックの1つになっていると考えられます。
(九州大学大学院工学研究院 都市システム工学講座 教授/九州大学都市研究センター長)
本調査結果から、特に建設業の小規模企業では、働き方改革・残業削減の着手率が低いことや、勤務先のICT化(デジタル化)の取り組みへの不満が多いことが示されました。
建設業の企業がICTツールを導入する際のネックとなる要素も示されており、その結果、建設ICTツール導入を進めるためには、初期費用・ランニングコストが安価なツール、誰でも使いこなせるツール、ICTに詳しい人材がいなくても導入できるツールが求められているようです。
建設ICTツールの中でもドローンは、導入による生産性向上の寄与度が高く、未導入の企業でも導入意向が最も高いツールであり、ドローンによる建設業の生産性向上への期待が高まっていることが示唆されています。
ドローンはそれほど高額ではありません。また、ドローンで取得した地形データを利用する上で、様々なソフトウェアがありますが、中には安価で、誰もが使いやすいツールもあります。小規模企業こそ、生産性向上や働き方改革を推進するために、まずはドローンの導入を検討すべきです。ドローンの普及によって、建設業全体の生産性が向上することが期待できます。
なお、私ども九州大学都市研究センターでもドローンに注目しており、2022年9月から、福岡県久山町と株式会社スカイマティクスと3者連携による、ドローンを用いたリモートセンシングの実証を開始しました。ドローンで久山町の土砂災害警戒区域や、町指定森林地帯、旧採石所の地形データを取得して、様々な目的に活用できるかどうかを検証しています。今後、検証結果を発表する予定です。
- 調査実施日:2022年11月21日~28日
- 回答者:インテージ法人パネル「建築・土木系 技術職種」およびインテージ一般モニターに登録されている全国計20,000人にスクリーニング調査を行い、勤務先が測量に携わる会社に勤務している会社役員・管理職・一般職であり、かつ、「測量」「ICT機器・ソフトの選定」「管理職の業務」のいずれかに携わっている人を抽出。1,039人が回答した。
クラウド型ドローン測量サービス「くみき」では、ドローン画像をアップロードするだけでオルソ画像や 3D 点群といった地形データを自動で生成できます。また、数クリックだけの直感的な操作で面積・体積・断面等の本格ドローン測量ができ、国産ツールで専任のサポートチームがあります。建設・砕石・産廃・農業業界など、人手不足の解消や技能・知見の伝承に活用が可能です。
▶︎ くみきサイト:https://smx-kumiki.com/
「くみき」プロダクトマネージャー
阿部 和博
2014年京都大学経済学部卒業後、大手重工メーカーに入社し、発電プラントの遠隔監視システム導入など、新規プロジェクトの立ち上げを複数担当。
その後、アグリテックベンチャーで海外事業開発を経験し、2020年に株式会社スカイマティクスに参画。プロダクトマネージャーとして「くみき」の事業戦略企画・マーケティング施策立案から、パートナー企業へのソリューション提案、イベント登壇まで、幅広く従事。
会社名:株式会社スカイマティクス
本社所在地:東京都中央区日本橋本石町4-2-16 Daiwa日本橋本石町ビル6階
設立日2016年10月18日
事業内容:産業用リモートセンシングサービスの企画・開発・販売
代表者:代表取締役社長 渡邉 善太郎
URL:https://skymatix.co.jp/company/
調査の詳細やデータ提供についてご希望がありましたらお問い合わせください。本プレスリリースのデータを報道で用いられる場合は出典を「スカイマティクス調べ」と明記の上ご使用ください。報道以外の目的で使用される場合は事前に下記まで問い合わせのうえ許可を得てください。
< 本件に関するお問合せ先 >
株式会社スカイマティクス
カスタマーサクセス・マーケティングチーム
TEL: 03-6262-6360
E-MAIL: info@skymatix.co.jp